那覇市の地名 ~波之上(なんみん)とは何か?
波之上。方言ではナンミンと言う。
波之上と言う言葉は、当て字だ。海際の断崖上に建てられた神社を波之上宮と名付けた
事から、表記は波之上。読みはナンミンになったに違いない。
ではナンミンとは何か?
普通、ナンミンに行くと言うと、波之上宮とその周辺の町、もしくはソープ街に行く事を言う。
だが、地図上、ナンミンにあたる地名は無い。行政的には、若狭になっている。
波之上宮周辺の一区域に対する通称が、ナンミンなのだ。
波之上宮は、海に突き出た岩崖上に作られた。
今では、周囲は埋め立てられ、人工ビーチになったりして目立たなくなってしまったが、本来
は、干瀬の上に大きく聳え立つ岬状の高地であった。
この高地を花城(はなぐすく)と言う。第一尚氏王朝の頃に波之上宮は出来たのだが、それ
以前から聖地であったのだ。
花城は、本来「鼻城」と表記されるのが正しい。
鼻とは、岬のことで、これは沖縄・大和ともに岬に〇〇鼻と名付けた地名が多数ある。
この鼻が聖地なのは、古くからこの岩崖の周辺には人が住んでいたに違いない。
ナンミンとは、「鼻ぬ前」と言う意味ではないだろうか?
「鼻ぬ前(はなぬみー)」が、「は」が省かれて、ナヌミー→ナンミー→ナンミンと変化したのでは
と思うのだが。
沖縄で場所を説明する時、「前(みー)」はアバウトで便利な言葉だ。
例えば、パレット久茂地は「県庁ぬ前」で説明できる。
どこが後ろで前なのか?と言う説明は要らない。大体県庁ら辺ってことで成り立ってしまうのだ。
って訳で、ナンミンは、波之上宮ではなく、大体岬ら辺のことなのである。
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