てぃーだブログ › 沖縄の地名・方言

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Posted by TI-DA at

2012年07月08日

うるま市の地名 ~勝連とは何か?






今、ジュンク堂の沖縄本コーナーで立ち読みして帰ってきた(笑)
琉球史の戦国武将を扱った本を斜め読みしたのだが、何やが?うり!と言う感じが止まない。
琉球史家の方々は、地理を勉強した方はいいのでは?と思ってしまったのだ。

と言うわけで、那覇市の地名を中断して、急遽、勝連の意味について書くことにする。

勝連・・いい地名である。勝ちを連ねるとは、何か凄い感じがヒシヒシと窺えて面白い。
もちろん、史実として首里王朝と覇権を掛けて戦った歴史もある。
だが、「かつれん」とは、おもろ地名であり、勝連はその当て字にすぎない。

地元では「かつれん」ではなく、「かっちん」と呼ばれている。
こちらが、地名的な本義であるに違いない。

僕、個人としては「かっちん」は、「かち」と「いん」に分解できるのでは?と考えている。

勝連半島を泡瀬か、江州あたりから眺めてみると、平地の無い海から競りあがった山と台地の
土地であることがわかる。

また、2万5千分の1地形図で世界遺産の勝連城あたりを見てみる。
城址は、およそ標高100mの地点にある。その南面の傾斜地は狭く、等高線がひどく密集して
いるのが判る。つまり、海からいきなり崖になっているのだ。

崖を方言で「かち」と言う。ガケ→カケ→カキ→カチと言う具合に沖縄方言的に変化するのだ。
例えば、勝連と同じ様な崖地である那覇市垣ノ花(かちぬはな)の「かち」も崖を指している。

次に「いん」とは何か?

判りやすいのは、海神だ。海の神様のことで、海の豊漁を願う祭りの名前にもなっている。
大宜味村の塩屋のそれが有名だが、塩屋では海神を「うんぢゃみ」と呼んでいる。

だが、海神祭は沖縄各地にあり、呼び方も「うんざみ」「うんがみ」「いんぢゃみ」「いんざみ」と各
地で違う。海のことを「いん」と呼ぶ地域があるのだ。
まあ、具体的にどこ?と聞かれると勉強不足で答えられないのだが(笑)

那覇の栄町の飲み屋街にその名もズバリ「いんぢゃみ」と言うスナックがあるので、間違いない
のだ(笑)

と言う訳で、勝連とは?
崖と海と言う意味であり、地形から来た地名なのである。



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Posted by ばんしゅる at 21:13Comments(0)うるま市

2012年06月29日

那覇市の地名 ~ 那覇とは何か?2





ナーファが、河川流域の低地だと言うのは、判ってもらえたと思う。

では、ナーファの漢字表記について考えてみたい。

沖縄では、地名と姓には密接な関係がある。
沖縄人の名字=地名なのは常識と言っていい。

ところで、我那覇さんや与那覇さん、玉那覇さんはいるのにそのものズバリの那覇さんは
いない。

きっと那覇さんは、本来の意味の名字を名乗っているに違いない!
じゅんにか!?ww

ちなみに饒波さんや伊野波さんは、実在している。
が、波と言う字に低地を表す意味はない。両者ともに当て字だと言うのがわかる。

ここで、僕が思いついたのが、野原さんだ。
沖縄には似つかない大和的な名字なのが、以前から不思議だったのだが、多分、間違いな
いだろう。低地と言う意味にも対応している。

野は、沖縄の音韻変化により「ぬ」とも「な」とも読めないこともない。

原は、沖縄では「はる」「ばる」と読むのは有名なのだが、「はる」と言うと方言では畑の事だ。
つまり、人の手の入った原野が、「はる」になるのだ。

では自然な低地原野は、例えば、高良の「ら」、久部良の「ら」。
更には、饒波・伊野波の「は」「ふぁ」ではないか?

「は」と「ら」を合わせると「はら」。原になるのだ。

沖縄の地名で、国が「くに」「く」「な」となるように、原が「はる」「は」「ら」となっているに違いない。

よって、那覇とは?
野原のことであり、ナーファもしくはヌーファと読むのだあ!!w

うーん。一応、那覇には
・漁場(なば)説
・澪原(みゅーふぁ)=船道説
などがあり、定説は無い。



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Posted by ばんしゅる at 21:33Comments(0)那覇市

2012年06月29日

那覇市の地名 ~ 那覇とは何か?





那覇は、方音でナーファ。今でも生粋の那覇人をナーファンチュと呼んだりする。
昔、沖縄に来たばかりの頃、知っちょーるーの那覇人に
「汝(ぃやー)は、フヮって言ってるばーよ!ファさ!ファ!!」と怒られたのを想い出す。

ナーファに那覇の漢字を当てたのは凄いと思う。
琉球王朝の貿易港がある事から、那(くに)を覇すると記したセンスには脱帽だw

では、ナーファの本当の意味は何なのだろうか?
那覇は、尚巴志による築港以前は、浮島と呼ばれる島であった。
築港後、東・西・若狭・泉崎の4部落を那覇4町と呼ぶようになった。

だが、東・西は、那覇港に隣接するのに対して、若狭は、辻を隔てた波之上の北方であり、泉崎は、対岸
にある半島だ。これから那覇4町とは、築港に伴う商都に対しての名称なのに違いない。

ナーファは、築港地となった東・西の両村の事に間違い無いだろう。
ちなみに現在で言えば、東町の国道390から北半分と西町1丁目あたりとなる。

ここでナーファが、素朴に地勢から取られた地名と仮定する。
そして、ナーファと音の似ている外の地名を挙げてみる。

1)大宜味村饒波(ヌーファ)
2)本部町伊野波(イヌファ)

この2ヶ所の地勢と那覇の共通点を探しだすのだ。

饒波は、饒波川の河川流域全部とその周囲の山地。河口の沖積平野には辺土名高校がある。
伊野波は、満名川の中流域とその支流の流域全体。満名川と支流の合流部は平野が広がる。
那覇港は、国場川の河口干潟である漫湖の出口にある浮島の海岸部にある。

以上3点の共通項は何か?

ちなみに漫湖には、饒波川と言う川が流れ込み、中流域にはズバリ饒波と言う部落もある。
この豊見城の饒波には、川の作り上げた谷底平野の性格を持つ低地がある。

ヌーファは河川流域にある低地だと言うのが、判るだろう。


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Posted by ばんしゅる at 20:31Comments(0)那覇市

2012年06月28日

ワジワジー





地図をぼーツとトゥルバイ状態で眺めていると、突然、方言の意味が判る事がある。

「だーーー!!ワジワジーすっさー!」

毎日のように使う方言だ。僕みたいな短気者(タンチャー)には、最も馴染みのある又、
使いやすい方言だ。

職場の皆さんには僕の「ワジワジすっさー!」には迷惑しているはずで、本当に申し訳
無いw

で、ワジワジー若しくは、ワジるの意味は何なのか?

かつて沖縄県広域道路地図で、伊江島の地図を見ていた時のこと。
友達が、伊江人(いえんちゅー。ィエンチュでは無いので、念のためw)で、タバコ農家を
しているので、シーズン中、三食・住居付きで働かないか?と誘われていた頃の事だ。

伊江島の裏手、北海岸の中程に「湧出」の文字が・・・

ゆうしゅつ?何やが?

まだ方言の判らない若輩者の僕は、当然の様にそう呼んでしまった。

正解は「ワジ」。島で唯一の湧泉らしい。
つまり、水が湧き出でる所。方言では湧ち出る(わちいじゅる)所だ。

ちなみにその後、伊江島に彼女とキャンプに行った際、この湧出周辺の海岸で、釣りをした。
ベラが死ぬほど釣れたのが想い出される。

ってベラかい!?ww

さて、つまり、ワジワジーするとは、湧出すると言う意味だったのだ!

では何が湧出するのか?となると勿論、怒りが・・って事になるのだが、いちいち会話上で、
「怒りがワジワジすんどー!!うりひゃーなー!!」
などとは言わない。

沖縄人は、体の中から、心の内底から湧出するものは怒りと言う感情だけなのだと無意識に
判っているのだ。また、怒りと言うマイナスイメージのする言葉を口にしたくないと言う優しさを
持っているのに違いない。

ワジワジーの表記は、「湧出湧出」と漢字で御願したいなあ。
判りやすいさ~。

ところで、
沖縄のほぼ各家庭に広域道路地図があるってのは、沖縄あるある?



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Posted by ばんしゅる at 12:42Comments(0)沖縄方言

2012年06月28日

グシクとは何か? その5 漢那グシクの場合





宜野座村漢那の329沿いにあるJAの裏手に漢那グシクがある。

中世以前のグシク時代の異物が、多少発掘された以外には何も発見された物は無い。
拝所等の御嶽や信仰に類する場所も一切無く、防御陣地等の城塞的な構造物も無い。
祝詞や伝承さえも無いのだ。

ただ、古来より漢那の人達が、グシクと呼んでいるだけなのだ。

画像を見て判るとおり、漢那グシクは琉球石灰岩で形成された山だ。
頂上部には、かつての増水期に珊瑚礁を形成していたであろう石層も見られるらしい。

漢那グシクは、福地川の河口部にある。
同じ村内の松田の慶武原川(きんばるがー)や、宜野座の宜野座大川(ぢぬじゃうっかー)
には、聖域としてのグシクがあるのだが、これらは河口の水戸(んなとぅ=港)に関連した
列記としたグシクだ。

だが、漢那グシクには何も無い。
でもグシクと呼ばれている。グシクが山地形の事を指している事の証明であろう。

ちなみに漢那の主邑は、漢那ビーチ周辺になる。
漢那の信仰の対象としてのグシクは、その後背地にあるヨリアゲ公園と思っている。
まあ、行ったことが無いので、確証は無いがw

他に大宜味村の塩屋湾に浮かぶ宮城島(みゃーぐしくじま)がある。
宮城の意味としては、塩屋の主邑の海側を前としたグシク(前城=みゃーぐしく)であるに違い
無い。

この島もグシクと言う地名がありながら、遺構らしきものは何も無い。
塩屋は、古来の伝統行事を今も守る部落なのだが、宮城島で行われる祭事も無い。

宮城島もまた、島全体が急峻な山なのである。

グシクとは、山で間違いない!



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Posted by ばんしゅる at 11:42Comments(1)沖縄

2012年06月24日

グシクとは何か? その4 玉城の意味





グシクのグシは、串であり、山の事を言う。
では、クは何か?

沖縄では、「○○久」と言う地名が多い。例えば、兼久や天久などだ。
それにもう一つ、「○○那」「○○名」と言う地名も多い。
例えば、漢那・平安名・大名などだ。

名・那どちらも地域の意味を持つ。
あわせると「くな」。つまり、と言う言葉になるのが肝だ。
古来、沖縄では境界に囲まれた地域を「くな」と呼んでいたに違いない。
更には、「く」と「な」各々の一字でも地域と言う意味で使われていたはずだ。

グシクとは何か?直訳すると山国となる。
ひらたく言えば、山地だ。

沖縄の代表的なグシク。例えば、世界遺産である首里城・座喜味城・勝連城・中城・今帰仁城
の全てが、城塞の形を取っているが、全ての城には聖域があり、山上にある。

まず、太古の沖縄では、グシクと呼ばれる山々があり、その山に対する信仰が生まれた後、
神の降臨する山を御嶽と呼んだに違いない。
その御嶽に御願所や拝所などの具体的な信仰の場が、出来たのであろう。

大和では、神の宿る山の事を霊山(りょうぜん)と言う。
僕は、九州大分の人間だが、大分市と大分郡・大野郡に跨る霊山を縦走したことがある。
また、九州・四国の名だたる山に登った事があるが、大抵の山の頂には祠があった。

南城市に旧玉城村であった地域がある。主邑は字玉城。
そして、城塞の体をした玉城と言うグシクもある。

玉は、霊(たま)の事に違いない。
そして、グシクが山の事を指すとすると、玉城とは、「霊山」と言う意味になる。

グシクとは、紛うことなく山地なのである!

う~ん。遂に断言してしまったww


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Posted by ばんしゅる at 22:20Comments(2)沖縄

2012年06月23日

グシクとは何か? その3 続 グシとは何か?





八重瀬町具志頭。旧具志頭村で、方音はグシチャンだ。
玉城から、雄樋川を渡ると堀川や港川の集落が、大地の斜面上に形成されているのが判る。
更に行って、向陽高校の辺りに海に抜ける緩やかな傾斜地がある。
具志頭で低地と呼べる所はここら辺りしかない。

あとは、具志頭城からサザンリンクス、玻名城、摩文仁と海沿いに断崖と丘陵地帯のみとなる。
画像は、摩文仁海岸からその丘陵地帯を眺めている所だ。

具志頭のグシもまた、山地を指すことが判るであろう。
この丘陵を山地と言っていいかについては、摩文仁の地名を説明することで解決できる。

摩文仁は、沖縄戦のあった所で、平和記念公園のある所だ。
そういえば今日は、慰霊の日だ。全ての戦没者に合掌・・・

摩文仁は、崖に囲まれた丘陵地帯だ。
沖縄では、大いなる山を大嶺(うふに)と言う。
これに本質的なと言う意味を表すをたっくゎしてみると、
真大嶺(まうふに)」となる。これが、音韻変化で摩文仁となるのだ。

具志頭丘陵は、大嶺なのである。

大嶺とクシの両方を地名としている所もある。玉城の船越だ。かつては富名越と書いた。

昔の人は、この内陸の山地を船を担いで越えたなどと言う地名由来は、勿論違う。
船越の方音は、フニクシ。
つまり、大嶺串(うふにくし)なのに違いない。

浦添市の沢岻(たくし)もそうであろう。
首里から出て、平良(大坂=ターヒラ)町を昇って行くと、沢岻だ。
沢岻は大串=タークシで、大嶺と言う意味に違いない。


と言うことで、クシは山のことを言うのに間違いないだろう。

では、次回でグシク=山国の例を挙げたいと思う。



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Posted by ばんしゅる at 15:54Comments(0)沖縄

2012年06月23日

グシクとは何か? その2 グシとは何か?





グシクのグシとは何か?

グシは方言のクシのことだ。普通、後の意味とする事が多い。
前回で示した通り、地名に使われる際には、何かの後方・端地・先地として使われる事が多い。

つまり何かの先端部を指すと言う意味が、クシにはあるのだ。
すると、先端と言うことから、クシに当てられるべき漢字が浮かんでくる。

」だ。

クシ=串だとすると、地図上の東西南北、岬や半島のような平面的なもの以外に立体的に突出
している地形にも該当するのでは?と考えられる。

海抜ゼロの地点から、立体的に突出している様に見える地形とは?

山である。

つまり、クシとは、串と表記される山岳・丘陵を指すのだ。

では、クシが山の事だとして、前回で示した地名について解説してみようと思う。

始めに名護市久志

旧久志村は、東海岸の大浦湾沿岸部一帯で、平野部は無いに等しく、まさしく山原と言える山が
ちの地形だ。かつては、名護から久志に抜ける道は、延々と続く山道で、くねくねとした道を長時
間かけて行かねばならなかった。
先ごろ、久志バイパスが開通したが、地形上、直線道を作るのは困難なために橋梁式の新道が
作られている。

うーん。久志については、クシ=山地と言う事で問題無いようだ。

にうるま市具志川

具志川は、沖縄市と旧石川市の間の丘陵地帯だ。平地に乏しい。
丘陵地をクシと呼ぶには、どうも説得力が無いように思われるが、具志川の地名語源である具
志川城について見ると、具志川城は字具志川にあり、トンボロ状の砂州に繋がれた岩山上にあ
るのだ。

同じ、具志川の名を持つ、糸満市喜屋武の具志川城も、喜屋武岬周辺の断崖上にある。

具志川も山地と言う事で説明できるようだ。

では、次回で具志頭について考えてみることにする。



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Posted by ばんしゅる at 14:11Comments(0)

2012年06月23日

グシクとは何か? その1・グシク地形説の序





グスクは通常、城の字は当てられている。
が、よく知られているように城塞としてのグスクは少ない。その為か、現在世界遺産とされているグスク群に対して、違和感を感じている。

グスクは、グシクとも呼ばれ、琉球史の本によれば、1)城塞説 2)聖域説 3)集落説の3つの説で解説されている。
が、明確にグスクの正体は何なのか?については、定説がまだ無い状態だ。

と言うわけで、ここでは上記3説以外に僕なりに考えた「グスク地形説」について、書いてみようと思っている。
僕なりと言ったが、多分、新説ではないだろう。

今年の春ごろまで、グスクについては個人的に聖域の事と考えてきた。グスク=御宿・御敷と思っていたのだ。

が、グスクをグシクとして、グとシクと言う具合に分けずにグシとクに分けて考えてみた所、一気にグシクとは、ある地形のことではないか?と考えが至った。

ではグシとは何か?
グシは、方言のクシのことで、多くは後ろとか、先と言う意味とされている。
地名的には、具志や久志の当てられた地域・字が沢山ある。

グシが後と言う意味だとして、地名をいくつか解説してみる。

名護市久志  ・・・・・ 元は旧久志村。西海岸の名護を表として、東海岸にある事から裏の意
               味。

うるま市具志川 ・・・ 旧具志川市。方音ではグシチャー。勝連間切りの南方に美里(みーじゃと                               ぅ=前里)がある事から、南を前、北を後とした地名。阿麻和利の勝連王国の領土だったと思われる。

八重瀬町具志頭 ・・ 旧具志頭村。方音ではグシチャン。本島南端に位置する為、端を後とした地名。

以上のようにグシ=後と言う事で、一応、位置関係から地名の意味を解説できてしまうのだ。
そこに矛盾は無いように見えるのが落とし穴なのだ。

何か、偉そうだな、俺!ww

と言う事で、次回ではグシとは何なのか?考えてみたいと思う。


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Posted by ばんしゅる at 13:03Comments(0)沖縄

2012年06月20日

マースとは何か?





ある日突然、方言の意味が解ることがある。
例えば、表題のマースなのだが、意味としては言わずも知れる塩のことだ。
だが、なぜマースなのか?は知らなかった。

先日、久茂地から緑ヶ丘公園を通って帰る途中、安木屋の裏スージで、アパートを改造したであろう民宿を発見した。
女性専用で、宿名は「潮水(うしゅみじ)」。何か、インパクトがある名だ。

「女性専用で潮水!? 意味くじ判らんしが・・。羊水ぬくとぅな?」
などとぶつぶつ呟きつつも、通り過ぎたのだが、そこでマースの意味が閃いたのだ。

なる程、塩で意味を考えていたら、判らないはずだ。思えば、塩という漢字は土へんで表されている。
つまり岩塩の事に違いない。

対して、沖縄では昔から、塩は海から採ってきた。潮こそが字としては正しい。

更に沖縄では、言葉に真の字をつけて意味を強調すると言う習慣がある。例えば、真土(マーヂ)、真南風(まふぇー)、真艫(まとぅむ)などである。
大和でも、真鯵、真鯛、真鴨などと同じ慣習がある。

そこでマースとは?

つまり真潮(まうしゅ)のことだったのだ。

素晴らしい。長年の疑問が、一瞬にして解けてしまったw

ってことで、シママースやヨネマース等、我が愛する製塩メーカーの皆様!
是非とも島真潮・与根真潮と表記を変えて見ては如何?



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Posted by ばんしゅる at 06:13Comments(0)沖縄方言

2012年06月19日

沖縄とは何か?



沖縄と書いて、「うちなー」と読む。沖縄では、常識だ。
では、「うちなー」とはどんな意味なのか?

まず、沖縄と言う漢字自体が、うちなーの当て字だと明らかにしないといけない。
まあ、沖をうちと方言では言うので、特に問題は無い。

当て字である以上、「沖に浮かぶ縄状の島」だとか、「沖にある漁場(なば)」などの説に説得力は無い。
また、大和からの視点で説明できる説も除外されなくてはならない。

ちなみに沖縄をウチナーと呼ぶのは、基本的には本島中南部とその周辺離島のみだ。
そして、やはり基本的には沖縄本島のことを指すのだ。
全島で、沖縄と呼ぶ括りが出来たのは、琉球処分後の沖縄県設置以後のことなのだ。

そこで、大和ではない地域、つまり奄美以南の島々、琉球弧の各島では、沖縄本島をどう呼ぶのかが重要になる。

沖永良部・与論・伊平屋・伊是名・山原 ・・・・・・・ うくな。うふくな

慶良間・久米島                ・・・・・・・ うちなー

先島・渡名喜                 ・・・・・・・ うきな。うきなー。

奥武島・久高                 ・・・・・・・ うふぢ。

以上のように沖縄本島は呼ばれているのだが、これでウチナーの意味は分かるだろう。

山原以北で呼ばれるうふくなの意味を知れば、自ずと解るのだ。

大城(うふぐしく)や大里(うふさとぅ)などから、うふは、「大」に間違いない。
また、くなは、兼久(かにく)や富着(ふちゃく)などの「く」と嘉手納(かぢな)や恩納(うんな)などの「な」、つまり地域と言う意味の語を2つ併せたものに違いない。

大和にも、恐らくアイヌの使った日本古語であろう国後(くなしり)と言う地名がある。

うふくなとは、大国の意味であるに違いない。大島でもいいかも知れない。

ウチナーや、先島のうきななどは、うふくなの音韻変化でしかない。

また、渡嘉敷の一部では、沖縄本島をまぎくにとずばり呼び、伊是名の一部ではうふぐにと呼ぶらしい。ちなみにうふぢは、大地のことだ。

と言うことで、ウチナーとは、琉球弧の中の最も大きな島であり、古くから中心を成していた大国と言う意味だったのである。

となると、沖縄県は、ウチナー県に名前を変えるべきなのでは?と強く思う。
勿論、漢字は大国と当ててもらいたいものだ。


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Posted by ばんしゅる at 16:17Comments(0)沖縄

2012年06月19日

はじめに




僕は、所謂ナイチャーだ。
だが、沖縄に住み始めてやがて30年になる。

その間、那覇とその周辺に住み続けた訳だが、最近は妙な逆転現象が起きている。
つまり、職場なんかにいる若い連中に方言やら、沖縄の歴史やら地理やらを教える立場になってしまっているのだ。

先日、休みの日にわざわざ会社から電話があり、何かと思って出ると、年下の上司からで、
「ばんしゅるさーん。マブヤーに出てくるガナシーの意味教えてくださいよー!」
と来た。

うーん。俺、ナイチャーだのに・・・変なーすっさーと思いつつも、
「魂込み(まぶいぐみ)の話をしつつ、その際に「魂加那志前(まぶやーがなしーめー)、戻てぃ来ーよー」て唱えるでしょ。
父親や御主人様を御主加那志前(うしゅがなしーめー)、琉球王を首里天加那志(すいてぃんぢゃなし)とも言いますよね。
つまり、ガナシーは尊称のことですよ。」
と説明してしまった。

長年、沖縄に住んでいて、知れば知るほど沖縄は沖縄人(うちなんちゅー)の物だと確信する中、大和化する沖縄に危機感を感じてきた。

と言う訳で、自分の趣味である沖縄の地理・歴史に民謡等の知識を披露しつつも、沖縄人の為になるブログを立ち上げてしまう事にした。

基本、独学なので、必ずしも真実を語ると言う訳にはいかないのだが、沖縄人が沖縄のことを考えるヒントにでもなればと思う。

御万人、皆小、打ち揃てぃめんせーりよーさい。
  
タグ :沖縄


Posted by ばんしゅる at 08:44Comments(0)はじめに